ルクリアについて
ルクリアの由来はネパール語【Luculi swa】から来ています。
また、ルクリア・グラティッシモは英語でVery very very Pleasingという意味で大変喜ばれる花とされています。
ルクリアの歴史は古く20~30年前に日本にやってきて、そこから挿し木で増殖をされ続けてきたため、品種改良も進まず現在に至った植物です。
ルクリアの原種にはL.grandifolia,L.gratissima,L.intermedia,L,pinceana,L.yunnanensisの5つの原種が存在します。
L.grandifoliaはブータン原サインのルクリアで花色は白若しくは白っぽい色で、開花期は7月~8月に開花する品種です。
L.Gratissimaはインド、ネパール、中国、ベトナムなどのインドから東南アジアにかけて分布するルクリアで、温帯域から亜熱帯域に見られます。
花色はピンク。
花期は秋から冬。
寒さには強くなく霜よけが必須になります。
スイートルビーはこちらに属します。
L.Intermediaは中國雲南省原産のルクリアでウンナンルクリアとも呼ばれています。
花色は薄ピンク色。
自然開花は晩秋から冬にかけて咲きます。
落葉性がある品種です。
L.Pinceanaはネパール原産のルクリアで他のものと比べて色幅がピンクから白色と広いのが特徴です。
常緑品種で葉っぱには照りがあります。
土は弱酸性を好み、他の品種より耐寒性があります。
アッサムニオイザクラやシャルロッテはこの系統になります。
L.Yunnanensisはあまり詳細が語られておらず良くわからない品目です。
調べられる情報ですと、ベトナムミャンマー国境付近で見ることができ、蕾はピンク色で花は白と言うところまでです。
世界中にはL.gratissima ROSEA,L.pinceana Fragrant Cloudなどの品種が流通しています。
ルクリア スイートルビー
スイートルビーは改良園が販売している品種で、色が濃いのが特徴です。
短日処理後の反応が一番早く、早生の品種になります。
高温により蕾の段階で花が落ちてしまうという問題があります。
生産は国内生産者に増殖ライセンスを発行し、生産者が生産したいだけ生産する形をとっています。
出荷するためには花が動かない様に支柱が必要になります。
ルクリア シャルロッテ
シャルロッテは元サカタのタネの育種家の菅野氏によって育成された品種です。
色は淡いピンクで大きな房ができるのが特徴です。
枝が柔らかいので支柱は必須の品種です。
生産者に増殖ライセンスを付与しての生産がメインの品種。
ルクリア リメイク
矢沢秀成氏、矢祭園芸、石井園芸とで開発した新しいルクリア。
含み咲きでスイートルビーとシャルロッテの中間の色合い。
葉の色も濃く、大きくならない非常にバランスの良い品種。
現在、矢祭園芸、石井園芸の2生産者しか生産していない品種。
ルクリアの管理法
寒さ:5℃目安に土が凍らない様に管理
暑さ:高温には強いです。
病気:夏場化成肥料を使うことで突然死したりする
用土:弱酸性の用土
剪定:秋、冬は弱剪定。春には強剪定でも問題ない
肥料:プロミックや緩効性肥料がお勧め
植える場所:北風の当たらない場所で、1℃以下にならない場所。3月以降の地植えがお勧め。
植え替え:春
店頭:雨風が当たらない場所で管理。特に9月。花後は種鞘をカットして、次の花を早く咲かせる。耐陰性はそこそこある。
ルクリアの花後の管理
ルクリアはポインセチアと同じような短日植物です。
その為日長が短くなる9月から3月にかけて自然日長で花が咲きます。
8月下旬~9月上旬に花付きで出荷される園芸種はほぼ短日処理を行った品種だと考えて問題ありません。
短日処理は6月から8月位に75日~85日のカーテン期間を経て9月位から出荷になっています。
自然開花は11月下旬~3月。
強い寒さに当たらない様に管理をすることで開花させることができます。
また、花後はついた種鞘を切り取ることで、脇芽に栄養を与えることができ、次の花を咲かせることができます。
これをずっと残しておくと次の花が咲きにくくなってしまい、長く楽しむことができません。
ピンチ後60~70日位で次の花が咲き、9月購入の株であれば最大3回まで開花させることができます。
ルクリアのカット法
花後は種を必ず切ります。
ルクリアの販売時期
販売時期として、9月の敬老の日をめがけた売り方が大方の主流になっている。
8月の盆明けから9月10日位までの相場は良いが、20日を過ぎから10月販売に関して相場的には弱くなる。
常々敬老の日の販売に置いて、暑さでつぼみが落ちてしまったり店頭でのロス率は問題になっている。
その為、ルクリアは寒さに程々強いため、現在は11月~12月の暮れ商材として提案をしている。
ポインセチアと比べ、寒冷地に向けた輸送での痛みも少ないことが実験でわかっており、気温がほどほど下がっている。
11月は花持ちも良く花の発色も良いため、シクラメン、蘭類、ポインセチアに並ぶ商材になってもよいと考えている。
関東以西では露地で冬越しするケースもたびたび報告されている。
寒さが来る前に地面に植え込み、根っこを張らせてしまうことで程々の寒さにも耐え、暮れから年始に桜色の花を見させてくれる。
暖地の一般家庭でも北風の当たらない壁を背に植え込めば耐えられると考えられる。
ルクリアの生産スケジュール
• 増殖から商品を仕上げるまでほぼ12か月の期間がかかる。
• 夏場の増殖は発根率が悪くうまく生産できない。
• ポインセチアの様な短日処理が6月~7月にかけて行われる。
• 前年の12月までに挿し木ができているものは翌年の商品として出荷ができる。